1月5日の日記「ミレニアム狂想曲」
みなさま新年をいかがお過ごしですか? 本年もよい年になりますように。
2000年代の幕開けを祝う論調が多いですね。クリントンやエリツィンも、今年が新しい千年のスタートの様なことを言っているらしい。正確には、今年は20世紀最後の年(世紀末)だし、同じように第2の千年(セカンドミレニアム)の最終年(ミレニアム末)のはずなんだけど。 日本人が「2000年代」といっているのは便利な言葉だと思う。その表現ならば確かに今年が新しい千年の最初の年だからね。しかし「ミレニアム」という言葉を使うときには、「新しいミレニアムは2001年1月1日からスタートします。」という公式見解が有ることを知って欲しいな。 http://greenwich2000.com/millennium/info/index.htm
「ミレニアム」という言葉はもともと英語だから、100分の1メートルを「1センチメートル」とよび、1000分の1メートルを「1ミリメートル」と呼ぶのと同じように、100年というくくりを「センチリー」といい、1000年というくくりを「ミリニアム」と言っているだけなのかも知れない。千の位の数字が2になったという意味では、ことしが始めの年だから、日本の「2000年代」と云う言葉と同じつもりで「新しい1000年(ミレニアム)」と言っているのかも知れない。 しかし、その「くくり」を何年から何年までにするのか、片方では今年を「ミレニアムの終わり」、もう片方では「ミレニアムの始まり」と言っていて、正反対の2つの見解が有るというのも紛らわしいものだ。
公式見解が、今年2000年を「第2のミレニアムの最終年」と言っているのには理由が有って、「西暦の始まりが0年でなく1年だから」というのがその理由だ。年齢の始めは0歳だが西暦年の始めの年は0年ではなくて1年なので、100年単位の「センチュリー」は100年目が最後の年になり、1の位が1である年からが新しい世紀となる。ミレニアムも同じ理由で1の位が1である年から始まり、百の位までが000である年が最後の年になる、そうしないと「1000年ずつのくくり」にならないからね。
だから、正しいかぞえ方では西暦2000年は「ミレニアム最後の年」であって、新しいミレニアムが始まったわけではない。
これによく似た混乱がMIDIの世界にも有った。音色切換のためのプログラムナンバーだ。コンピューターサイドでは0から127までの数字で音色を管理しているが、音源の方では1から128番で音色を表現していたりする。私のソフトでは音色は0〜127なので、48番はストリング・・・と思ってデータを作るのだが、意に反してティンパニの音が鳴りだしてびっくりしたことも有る。
昔の日本にもミレニアム騒ぎのようなことが有った。仏教国だからなのだが・・・・釈迦が死んだ後の千年間を「正法(仏教が正しく広まる)」次の千年間を「像法(仏教が形骸化する)」その次の千年間は「末法(釈迦の教えが力を失う)」ということが仏教では伝えられていて、鎌倉時代に「末法の世」に入り、世の中が乱れた・・・と歴史で習った。
「おい、おっかあ!てえへんだ!。今年から、ま、末法ってんだってよ。なんでも、お釈迦様を拝んでも全然御利益が無えんだそうだ、どうする?。」
おゆき「そうかいおまいさん。それじゃうちも、近ごろトレンディーな阿弥陀様とやらにでも鞍替えしようかね。」
現在使われている西暦は16世紀の中ごろ、教皇グレゴリウスによって定められたという。イエスの誕生日を1月1日という、年の初めにしなかった(12月25日が誕生日)のには、それまでのいろいろないきさつがあった為らしい。現在の研究ではイエスの実際の誕生日は今考えられているより4〜6年早かったという説が有力だそうだ。(実在の人物だったので、きちんと研究する人は研究してのだ)それなら、とっくに第3のミレニアムに入っているわけだが・・・・混乱を避けるため、西暦の表記はそのまま使い続けているというわけだ。キリスト教徒以外も含む世界の人が使う暦を、イエスの誕生日にあわせて変更しなければならない理由はない・・・と言う理由で。
西暦以前の年(紀元前)を表す方法も本当は問題が有る。西暦1年の前の年が紀元前1年という表現。0年は何処にもない。これだと、1−1=−1と言うことになり。数学的に計算が合わない。天文学などで年数を計算するときはこれでは困るので、西暦1年の前の年を0年として、それ以前を「−1年」、「−2年」・・・というように数える方法をとっているらしい。これで表された「−2年」というのは「紀元前3年」を表していることになるけれども・・・それも一般に普及しているわけではないよね。
で、結論として思うんだけれども、千の位の数字が何であるかによって「ミレニアム」をくくりたいというのなら、いっそのこと、西暦0年というのを作ることにしてはどうか。そして、1つの世紀は0年から99年までとし、千年紀は0年から999年までとする。そうすれば今年はミレニアム元年だ。その方が天文学的にも数学的にもつじつまが合う。西暦0年がイエスの生まれた年(12月25日)という意味でも妥協は可能だろうし、500年・1000年先の人々もこれで文句は言わないだろう。
え、その計算で今年は何世紀かって?もちろん20世紀さ、百の位の数字が20をさしているだろう?。じゃ西暦99年は?もちろん「0世紀」と呼ぶんだよ。
もし、そんなことが国際会議で決まりでもしたら・・・本当の「世紀末」が存在しないまま、今年が「新世紀」になってしまうよね、お祝いもしないまま・・・・