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ch_1.jpg (15171 バイト) このページは、よく、ネット上の Q&A などで、引用されているようですが、回答されている方の中には、実際に作業されていない方も一部にいらっしゃるようで、「違うなあ」と思うことも多々あります。こんな時代ですので、多々ある情報の中から、真実を見分けるのはとても難しいと思います。
 また、スタッドレスタイヤを使えば、タイヤチェーンは不要かというとそうでもないようです。特に最近のスタッドレスタイヤは氷上性能に特化した製品が多く、悪路走行の性能は今ひとつのようです。こうした場合はタイヤチェーンの必要性が生じる場合があります。

タイヤチェーンの取付方法

 初心者にとって意外に面倒な作業がこれです。シーズンになりますと、高速道路では、取り付けに四苦八苦されている方を良く見かけます。中には、ジャッキアップされたりタイヤを外したりして、取り付けられている方もいらっしゃいます。こうなると、チェーンを取り付けるだけで 1 時間はかかってしまいます。チェーンは、コツさえわかれば、5 分ほどで、取り付けられます。普通の鉄製チェーンのもっとも簡単だと思う取付方法を御紹介します。
 チェーンは、購入したら、取り付けを一度は練習しておきましょう。タイヤサイズが適合範囲であっても、取り付けられない場合があります。また、車種によっては、チェーンが車体に当たってしまう場合もあります。

bulletチェーンを取り付けるタイヤ

 FFならば前輪、FRならば後輪です。FFか、FRか、わからない場合は、車屋さんや、ガソリンスタンドで確認しておきましょう。4WDでは、どこに取り付けるか、取り扱い説明書に書いてありますので確認して下さい。ここでは、前輪に取り付ける方法について紹介します。ハンドルを切る事以外は、FRでも同様の手順です。

bulletハンドルを切る

 車は、左右に作業スペースがある、なるべく乾いた場所に停車させます。ハンドルは、左右どちらかにめいっぱい切ります。このようにすると、タイヤの裏に手が届くようになり、作業が極めて楽になります。特に写真のように左に切ったときは左タイヤが、右に切ったときは右タイヤの前方が大きく開きます。

bullet

チェーンを広げる

 チェーンは、左右の金具が折り返してある方が外側になります。こちらを上にして、タイヤの横に広げます。このとき、右図のように折り返してある金具の内側に入っている場合は、チェーンがねじれています。白い矢印のようにチェーンの端をくぐらせて、中央の図のようになるよう直しておきます。

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チェーンを広げる。 端の状態 このような場合、くぐらせて左のようにする

チェーンをかぶせる。

bulletチェーンをタイヤにかぶせる

 チェーンをぐちゃぐちゃにしないよう注意して、上右図にようにタイヤにかぶせます。ここで、折り返し金具が外を向いていることを確認してください。内側を向いていますと、タイヤの左右の側面(サイドウォール)を傷め、バーストの原因となることがあります。タイヤのサイドウォールは、あまり丈夫ではありません。
 また、下のほうで、チェーンを左右均等にあまらせてください。

bullet内側の金具を留める
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 手を伸ばして、タイヤの内側の金具を相手のチェーンに留めます。このとき、チェーンを左右に多少動かす必要があるかもしれません。また、雪があるところでは、タイヤの下を少し掘る必要がある場合もあります。なお、写真の金具は、フックを引っ掛けるだけですが、金具によって留める方法が異なります。必ず添付の説明書で確認してください。
 この作業が、チェーンをつける上で、一番の難関です。いろいろな方法が提案されているのですが、このように上から被せて、タイヤの裏に手を伸ばして留めてしまうのが一番楽で速いです。FR などですと、腹這いになる必要があるかもしれません。衣服が汚れないように、つなぎの作業服を用意しておくことをお薦めします。これは、安いもので 1,500 円ぐらいからあります。

bullet外側の金具を留める

 内側と同様に外側のフックも留めます。

bulletゴムあるいは、スプリングを掛ける

 チェーンをゴムあるいは、スプリングを使って引っ張ります。このとき、先程の金具が弛まないよう、必ず引っ張るようにスプリングあるいは、ゴムを引っ掛けます。写真では、下のスプリングでフックを引っ張っています。また、スプリングは均等に掛けるようにし、写真左上のような場所が出来ないようにしてください。(^_^;
 スプリングのフックもタイヤを傷めないように、外側に向けます。

 このあと、少し走ってから、緩みが無いことを確かめます。緩みが大きいようなら、フックをかける鎖の位置を更に先に進めるようにして、チェーンが常に張っているように調整します。また、チェーンは走行と共に延びてきますので、この確認は、必ず行うようにしてください。あまった鎖は、車体に接触しないよう針金などで留めておきます。

 チェーンを引っ張る用具は、スプリングとゴム輪の両方がありますが、スプリングのほうが、装着は少し楽に出来ます。

bulletチェーンの外し方と収納
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左上のように空白が出来ないようにスプリングをかけます。

チェーンの収納  チェーンの補修用品

 外し方は、取り付けと逆です。かならず、外側と内側の両方の金具を外してから、チェーンをタイヤから外すようにしてください。内側の金具をつけたままチェーンをタイヤから外すと、タイヤの内側でチェーンがからまり、ブレーキホースなど、重要な装置を傷つける場合があります。

 チェーンを入れる容器は、水が漏れて車内を汚さないような容器が良いです。チェーンをしまう場合は、ぐちゃぐちゃにしないよう、図のように個別にまとめるようにします。また、端の部分がわかりやすいよう、リボンなどをつけておくと、取り出しもスムーズになり、からまることも少なくなります。容器の中には、軍手、スプリング、針金など、チェーン装着に必要なものを一緒に入れておきます。

bulletチェーンが切れたとき

 チェーンは消耗品ですので、雪のないところでは、100 km 程度の走行で切れてしまいます。これは、ゴム製のチェーンでも同様です。ですから、お出掛け前にチェーンの接地面を良く調べて、摩耗が激しいようなら、代替え品を用意しておきましょう。
 万が一、切れてしまった場合は、太い針金で切れた箇所をつなぐなどの応急処置が考えられます。また、写真のような切れたチェーンを接続する用具も市販されています。これは、右のような上下に金具の付いたワイヤで、左のように丸めて、金具を締めて使用します。
 いずれにしても、チェーンが切れると、場合によっては走行不能となり、車をそこに放棄して歩かねばならないことにもなり、なかなか大変なことになります。

bullet取り付けが一番簡単なのは、金属のラダーチェーン

 おそらく、取り付けが一番簡単なのは、ここで紹介した金属製のはしご形(ラダー)チェーンでしょう。これまで、いくつものチェーンを取り付けたりしてきましたが、タイヤの裏に手を入れなくて済むようなものは、一見、楽そうに見えますが、やってみると、複雑になっている分だけ、手間取ることが多いです。

bulletかなり手強いチェーン装着車の運転

   チェーンを取り付けた車の運転は、実はとても難しいのです。凍結路で、ノーマルタイヤ+チェーンのFF、ALB無しならば、カーブにオーバースピードで突っ込んで、あわててフットブレーキを踏んだ瞬間に、車はスピンします。山道で運が悪ければ、そのまま谷底です。ALBが付いていれば ok というわけではなく、車は直進しますので、やはり谷底の危険があります。これは、初心者が運転できない状態であるといえると思います。このことは、下記ページの末尾に少し書きましたが、ノーマルタイヤのFFであれば、シフトタイミングに合わせてアクセルで回転数を調整しながら、1速までシフトダウンするぐらいのテクニックは必要です。フットブレーキは停まる寸前に補助的に使うと思っていただいたほうが良いと思います。スキー場からの下りのつづら折れの道で、手に負えなくなって、立ち往生している低年式の初心者マークの車はよく見かけます。

http://www.cnet-sb.ne.jp/ssato/skitool.htm

 初心者で雪道運転に不慣れで、スキーなどで1シーズン数回の雪道走行が必要になる方は、スタッドレスタイヤの装着をお勧めしたいですね。スタッドレスタイヤでも万能ではありませんが、ノーマルタイヤ+チェーンに比較すれば、「初心者でも、スピードを出さなければ運転可能な範囲」に何とか収まると思います。

 

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