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IMG_078s5.jpg (86512 バイト) 2008年11月23日 オートガイダー
 いろいろと周囲の状況が変わってしまい、以前ほどのアクティビティが出せず、時間を見つけてはぼちぼちとやっております。
 オートガイダーを使うぐらいなら撮影をやめるなどと周囲には豪語しておりましたが、最近、とても安くなったので、それならばと自己の主張をあっさり翻して手を出してしまいました。購入したの製品は、下記です。

Orion StarShoot AutoGuider #52064

 ちょうど品切れ状態で、10月末には入荷するとのことでしたが、結果的に入手できたのは 11/23 でした。早速、ソフトをウルトラモバイル Eee Pc  901 にインストールし、自宅前でチェック。画面から星を探すのにちょっとしたコツと操作が必要ですが、それ以外はあっけないほど簡単でした。G11との接続は、付属のモジュラージャックをハンドコントローラ端子に差し込むだけです。ケーブルを作る必要もない。赤道儀の制御方向とガイダーの取り付け方向を自分で設定しなければならないのかと思ったら、自動でやってくれます。ガイディングソフトが、適当に赤道儀にコマンドを送り、星が動いた方向で勝手に対応付けてくれます。もちろん直角をとる必要も無いです。
 50mmF10 に取り付けましたが、追尾可能なのは、4等星ぐらいまでですかね。雲がかかると、見失うこともあるようですが、この場合の補正は行われないので、赤道儀の極軸をそれなりにあわせておけば、意外によく耐えてくれるようです。

 そんなわけで、早速、これで撮影してみることにして組上げたのが、右のシステムです。FL-70S に撮像用の Canon Eos Kiss D を組み込み、その上に ボーグ ED50(F10)を乗せて、同じく ボーグのイメージシフターを介して、オートガイダーを装着しています。FL-70S には、同じくビクセンのワイドファインダー、ボーグの上には、遊馬さんのアダプターを使って、等倍ファインダーを載せています。ゴテゴテといっぱい乗せていますけど、小口径ですので、このまま持っていって赤道儀に載せられますので、手間はかからなそう。
 なんとかチャンスを作って、早急に試してみたいです。

GM8 三脚
 G11 付属の三脚は丈夫なのですが、重くてかさばります。また、不動点高が高いので、20cmニュートン反射を載せると、アイピースを覗くのに台が必要になってしまいます。そこで、GM8 用三脚を購入してしまいました。軽い、設置や片付けが簡単、など便利です。欠点は、三脚を最も短くすると接地点が描く三角形が小さく、無理か効かないこと。重い鏡筒ではバランスを取るまで、重心の移動に気を遣います。

過去の記事

Img_0702sys.jpg (115115 バイト) 20cmニュートン鏡筒が度重なる改造で重量が増加したこと、もともと、SP-DX では、搭載重量が限界であることに加え、F6 と長尺なので揺れが大きく、観望時にストレスを生じていたことから、余裕で搭載できる赤道儀を探していました。赤道儀は高価です。何台も購入できる予算も置き場所もありません。そこで、買い換えしなくてすむように、様々な要求を満たしてしまおうと、撮影にも適するオールマイティーな機能を考慮に入れ選択しました。

 結果的にロスマンディー G11 を購入しました。今回の購入コンセプトは下記のように考えました。

1. ニュートン鏡筒でのクランプ操作は、極めて操作しにくいので、出来れば避けたい。この解決のためには、現在のところ、完全自動化(自動導入装置の取り付け)か、フリーストップクラッチの機種が欲しい。

2. 20cmF6 鏡筒は、SP-DX クラスでは、振動が残るなど強度的に不足。搭載重量に余裕がある赤道儀が欲しい。

3. ノータッチガイドをする上で、赤道儀自体の精度をさらに確保したい。製品を比べてみると、精度の多くはギヤの直径に依存するように思います。ゆえにギヤの直径を選択の一つの指標としました。

4. 移動観望
 剛性が高く、精度がよいということになると、赤道儀は、必然的に大きくなり、重量増にもなります。車に搭載でき、一人で短時間で組み立てられることも考慮に入れました。

5. 導入支援あるいは、自動導入可能

 予算的に、タカハシ EM200+ temmaJr と ロスマンディー G11 with ナビゲータという選択となりました。EM200 は、一般には自動導入オンリー、G11 は、自動導入( GEMINI システム)とナビゲーターが選べます。但し、後者の自動導入は軸に取り付けるエンコーダーと組み合わせると高価になりますが、モーターオンリーでは、折角のフリーストップが生かせなくなります。

自動導入 vs ナビゲーター

 リモートコントロールのような事をしない限り、彗星や人工衛星のような日周運動から大きく外れる天体の追尾が可能かどうかという点だけが、大きな差でしょうか。彗星も長時間露出しない限り、日周運動の追尾で充分です。少なくともデジカメ撮影なら、短い露出でコンポジットすれば良いわけです。
 導入速度については、手動のほうがはるかに速い。今まで楽しんできた手動で振り回す自由も捨てがたい、と考え、G11 を選びました。

 入手は、直輸入も考えましたが、トラブル時の交渉が厄介だと判断し、国内代理店(テレビュージャパン)で購入しました。(後述するように、これは正解でした。)

 G11 赤道儀には、微動ツマミがありません。ニュートンの場合、苦しい格好をしないと微動つまみに手が届かないことがあることから、リモコンで充分と判断。できれば、テレビのリモコンのようなケーブル無しリモコンが欲しいところです。

購入リスト G11赤道儀、極軸望遠鏡、エンコーダー、連動ギヤカバー、Argo Navisナビゲータ

Rimg0469s.jpg (148834 バイト)上記画像の搭載は、FL70S、BORG ED50+GA4、宮内正立ファインダー、12V7.2Aシールドバッテリー
バッテリーは、鏡筒が軽すぎて、標準のウエイトではバランスが取れないため、上に載せています。

Argo Navis ナビゲーター

 ルミコン スカイベクターを注文したのですが、納期未定とのことで勧められたのが、試験的に輸入された(?)本機です。他人と違うもの好きの性格故、こちらに乗り換えました。2004 年現在、国内に数台しかないと言われていました。

 左の画像の青い箱が、ArgoNavisです。うらに家庭用のフックを貼り付けて、ぶら下げています。電源、モーター、エンコーダーそしてハンドコントローラのコードで、ぐちゃぐちゃになっています。

 オーストラリア製のナビゲーター。ETX-90ECの自動導入設定と同様に、簡単な初期設定で、天体の方角を指し示してくれます。操作方法は、Meade のオートスターとよく似ており、階層構造のメニューになっており、各メニューで、設定、自動導入などを行います。この製品は、数あるナビゲータの中でも高機能な方だと思います。ドブから、極軸の合っていない赤道儀に至るまで多くの架台への対応、LCDヒーター内蔵、細かい省電力対応、パソコンとの連係など、取扱説明書は、180ページ近くあります。コントローラは、少し大きいことが難点でしょうか。
 操作は、2つのボタンと、ジョグダイヤルで行います。他のナビゲータでは、矢印キーで行う操作をジョグダイヤルで行います。操作性に違和感は感じませんでした。
 電源は、単三電池4本あるいは、〜12V の電源です。電力消費が少ないので通常の使い方では、乾電池でも一晩は余裕です。
 メーカーの下記のサイトで、詳細な仕様と取扱説明書を入手することが出来ます。
http://www.wildcard-innovations.com.au/

極軸を合わせた赤道儀での使用方法

 極軸を会わせた赤道儀での使用は、非常に簡単です。

  1.  鏡筒を赤道儀の西側にもってきます。
  2.  結果的に基準星は、天頂から、東にかけて選ぶことになります。適当に選んだ1等星を導入して、液晶画面でその一等星の名前を探し、ボタンを押すだけでアライメントが完了します。この状態で、FL70 の直焦点の真ん中に天体が入る精度があります。
  3. 導入してから、右ボタンを押すと、天体に関する説明がテロップで流れます。

なお、表記は、全て英語ですので、この一等星の名称も含め、綴りを覚えておく必要があります。レグルスは、R ?、L ? 、、Regulus です。

Argo Navis とは、
アルゴ船という星座の意味。この船は、ギリシャ神話のイオルコス国のイアソン王子の冒険物語に出てきます。この星座は、カノープスを含む大きな星座でしたが、大きすぎるため、りゅうこつ座、とも座、ほ座、らしんばん座に分解されました。

bullet開梱

Rimg0231s.jpg (14202 バイト) 開梱し、組み立てての感想。
 思ったほど重くない。クラッチは、むちゃくちゃ使いやすい。クラッチはそれほど締め込まなくても FL-70 ぐらいなら、撮影に支障無いぐらいに固定できそう。ネジは全てインチネジ。一通りの六角レンチは付属していましたが、細かい押しビス用などは付属していませんでした。
 エンコーダーの取付は、なかなか微妙です。しかし、この赤道儀のしくみが良くわかって良かったです。エンコーダー軸に取り付けるギヤの押しビスを回す六角レンチが無くて、ちょっと苦労しました。
 なお、極軸望遠鏡の暗視野照明のネジは、ISO の 6 ミリでした。

 収納スペースは、SP-DX と比較すると、2倍強というところでしょうか。特に G11 の三脚の脚は、3本に分割されるので、かなり邪魔くさいです。そこで、右のように脚をつなげるという収納方法を考えてみました。こうすれば、スキー板のように狭い面積で立てかけられます。我ながら良いアイデアと思っているのですが、、、、

bulletトラブル

G11_tr1.gif (3676 バイト) 納品時に、トラブルをいくつか楽しませていただきました。いずれも、代理店の適切な対応で即座に解決。国内代理店は、かくありたいものです。
 結果的に私が工作を楽しむ余地もなかったです。

1. ウエイトストッパーのワッシャーの穴径が小さすぎて取り付けられない状態でした。この赤道儀を購入する前に、G11をお持ちの方から御好意でお借りしたことがあり、その後、ネジ径を変更したことが原因と推定されました。代理店に連絡したら、ワッシャーの代品をお送りいただけました。

2. 極軸望遠鏡が内筒に接触する。その様子を左図に描きました。本来、当たるべきフランジ部に隙間ができて、浮いてしまいます。極軸望遠鏡は、日本製とのことですが、ロットで寸法が変わったことが原因のようです。代理店に相談したところ、ロックリングを加工していただきました。その後、エンコーダーを取り付けたら、クラッチノブの位置が後退し、この加工は不要であったことが判明しました。

3. エンコーダー配線不良。エンコーダーの配線は、エンコーダー、ナビゲータともモジュラージャックです。この仕様は、スカイベクターなどとも共通のようです。それで、モジュラージャックが 1 ピンずつずれて圧接されているという配線ミス。交換していただきました。

4. ファーストライトの際、追尾が反対方向(南天仕様)になっており、ちょっと焦りました。修正方法は、取り扱い説明書に記されていますが、あいにく持参していなかったのです。幸い、観望地にテレビュージャパンの A 氏が来られており、修正していただけました。取扱説明書にあるとおり、ハンドコントローラーの左ボタンを押しながら電源を入れると、正常な回転になります。
 普通に電源を入れると、赤経モーターが逆に回ります。何度やっても同じです。メインコントローラーパネルを外すと、南天北天切り替えスイッチがあるのですが、これは、北天になっている。
 まだ他のチューニングが終わっていないので、とりあえず、根本的な対策は後回しにして放置しています。

追記 南天北天スイッチを南天側に切り替えてみました。そうしたら、追尾するようになりました。スイッチの取り付けが逆になっていたということでしょうか。(2004年9月)

bullet鏡筒取り付けプレート

 これは自作しました。タブプレートに搭載するプレートを作るにはフライス加工が必要になりますので工作機械がないと無理です。そこでタブプレートを外して、ネジ止めすることにしました。タブプレート取り付け台を外したときの寸法図を作成しましたので、参考にされて下さい。テレビュージャパンによれば、プレートは引き抜き材やフライス加工品など平面度の良い材料を使って下さいとのことでした。出来の悪い鋳物などは赤道儀が歪むおそれがあるようです。

G11マウントGIFファイルG11マウントDXFファイル

 DXFは、CAD用のファイルです。なお、使用に伴う不具合などは、責任を負いかねます。

[追記] 図面では、ネジは、W(ウイットネジ)と表記しましたが、実際には、UNF(ユニファイネジ)のようです。これらは、ネジの角度が55度と60度で異なりますが、それ以外は同一です。ねじ込もうとすれば、ねじ込めるという程度の誤差です。もちろん、混用はお勧めしません。

bulletファーストライトと取り扱い

 初めて赤道儀に鏡筒を載せました。FL70 と、BORG ED50 を同架しても、鏡筒が軽すぎて、10kg ウエイトではバランスが取れません。バッテリーを鏡筒に抱かせて、何とかバランスを取った様子が、ページトップの画像です。ウエイトは、近々自作予定(いつになることやら、、、)
 重量は、やはりかなりのものです。組立や荷物の積み卸しなどで腰に負担がかかります。組立時の注意としては、持ち上げる前にクラッチを締め込むことを忘れないということでしょうか。保管時にクラッチを緩めていること、また、締めこんでも、クランプのような強固な固定が出来ないことから、持ち上げた瞬間に、鏡筒取り付け部がぐるっと回ってしまうということもあります。つかむ場所と慣れの問題ですが、ひやっとした経験をお持ちの方も多いようです。

 クラッチ機構を用いたフリーストップであるために、まるでドブソニアンのような動きが出来ます。さすがに赤道儀の特異点である極付近は、方向を向けるのに苦労しますが、それ以外では快適です。
 さらにフリーストップであるために、クランプを締めるという動作が不要です。これは思った以上に快適な操作性をもたらしています。ニュートン鏡筒の場合、クランプを締める動作はなかなか鬼門で、アクロバット的な体のひねり技でクランプを締める必要さえ生じます。これが不要であるというのは、かなり楽です。
 撮影時の締め込みですが、上記のような軽い鏡筒の場合は、バランスさえ取れていれば、クラッチを締め込まなくても撮影可能でした。バックラッシュも極小(無し?)で、通常は、鏡筒を対象に向けて一呼吸すればシャッターを開けられます。

 G11 のバックラッシュの少なさは、感動ものです。SP-DX ですと、天体導入してから、30 秒〜1 分待たないと星が流れてしまっていましたが、G11 だと一呼吸でシャッターを開けても流れないです。クラッチの締め込みは、一番上の画像の状態では、全く不要で撮影可能でした。
 追尾精度は、異次元です。コンポジットのため何枚か画像を撮りますが、重ね合わせの際、ずれが1ドット前後ということもしばしばあります。
 一眼レフデジカメを購入する時も思ったことですが、「今までの苦労は何だったんだろう」 が、正直な感想です。

RIMG0490s.JPG (134069 バイト) モータの動作音は、極めて静かです。ジェミニシステムのDCモーターは、ほとんど無音といって良いレベルですが、このパルスモーターは、耳を澄ますとじりじりと音がしているのがわかります。しかしながら、ビクセン、ミードとは比べモノにならないほど静かです。

* バックラッシュとはギヤの遊びのことで、これが多いと天体を導入してから、像が落ち着くまで、すなわち、ギヤがかみ合い、追尾を開始するまで時間がかかります。

bulletウエイトの製作(2004年6月)

 一番上の画像のように、FL70鏡筒では、バッテリーを望遠鏡に抱かせなければならないほど、ウエイトがアンバランスですので、軽いウエイトを作りました。
 鉛を使い、重さは 2.5kg です。これで、FL70、EOS Kiss Digital、BORG ED50、5cm正立ファインダー、0.5kgカウンターウエイトを載せた状態でシャフトの中央でバランスがとれます。同時に、カウンターウエイトにより、カメラのバランスも調整し、赤経、赤緯ともバランスがとれるようにしました。
 20cm 反射 (METALDOB200) を載せる場合は、10kg のウエイトがシャフトの半分付近です。形状によっては、20kg ぐらいまでの鏡筒なら、10kg ウエイトだけでバランスがとれるのではと思います。

bullet2004年10月の状況

Crw_1261_jfrs.jpg (100809 バイト) 望遠鏡の取り付けを、赤道儀へのプレートのネジ止め方式から、ビクセンアトラクス用の大型メスアリ金具、スライドバーに変更しました。これにより、前後のバランスを取ることが容易になりました。左右のバランスは、相変わらず調整要素がないのと、スライドバーへのプレートの取り付けが難しかったので、結果的に左の画像のように望遠鏡抱き合わせで、対象確認用にミニボーグを取り付けました。この状態では、ガイドは無理ですし、当面はお気楽に徹し、ガイドしないつもりです。
 見た目はスライドバーが大きくて不格好ですので、改良していくつもりです。

 また、20cmニュートンにもスライドバーを取り付けましたので、ワンタッチで観望/撮像システムを入れ換えることが可能となりました。ニュートンを取り付けた画像は、こちら です。

 赤道儀の消費電流は、約 300mA です。ナビゲーターの消費電流が、同様の大きさですから、バッテリー(7Ah)では、一晩のみということになります。

 画像右の太陽電池は、快晴時に約300mAの出力があり、これで昼間は充電が行えるようになっています。

 

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